英語の会議で、聞き取れなかったのに分かったふりをしてしまう。会議が終わってから、期限や担当者が曖昧だったことに気づく。実務では、英語の間違いそのものより、確認しなかったことのほうが大きな問題になる場合があります。
聞き返すことは、英語力の不足を告白することではありません。認識を合わせ、仕事の手戻りを防ぐための行動です。
この記事では、単に Pardon? と繰り返すだけではなく、「何が分からなかったか」を相手に伝える聞き返し方を、会議の場面別に紹介します。
聞き取れたものの返答を考える時間が必要な場合は、英語が出てこないときのつなぎ表現20選も参考にしてください。
会議での聞き返しは「全部」より「分からない部分」を示す
相手の発言が長かったときに、Could you say that again? とだけ言うと、相手は同じ長さ、同じ速さで全文を繰り返すかもしれません。
聞き取れた範囲を先に示し、分からなかった箇所を絞ると、相手も答えやすくなります。
I understood the first point, but could you repeat what you said about the delivery date?
「最初の点は理解しましたが、納期について言った部分をもう一度お願いできますか」という意味です。これなら、会議全体を止めずに必要な情報だけ確認できます。
1. もう一度言ってもらう
Sorry, could you say that again?
聞き返しの基本です。Sorry? だけより、何をしてほしいかが明確です。
Could you repeat the last part?
「最後の部分を繰り返していただけますか」。途中までは理解できたときに使います。
I didn’t catch what you said after …
「〜のあとに言ったことを聞き取れませんでした」。聞き取れた地点を示せます。
I didn’t catch what you said after “the customer approved it.”
2. 少しゆっくり話してもらう
Could you say that a little more slowly?
「もう少しゆっくり言っていただけますか」。Slowly, please. より柔らかく聞こえます。
Could you go over that one more time?
「もう一度説明していただけますか」。単なる音の聞き直しだけでなく、内容を再確認したいときにも使えます。
相手の英語が「速すぎる」と感じる原因は、発話速度だけではありません。単語同士のつながり、弱く発音される語、処理速度などが重なります。普段の練習法は、第4記事「ネイティブの速い英語が聞き取れない理由」で詳しく説明します。
3. 別の言い方で説明してもらう
Could you rephrase that?
「別の言い方で説明していただけますか」。同じ文を繰り返してもらっても理解できないときに有効です。
Could you clarify what you mean by …?
「〜が何を意味するのか、もう少し明確にしていただけますか」。曖昧な用語や表現を確認できます。
Could you clarify what you mean by “as soon as possible”?
Could you give me an example?
「例を挙げていただけますか」。抽象的な説明を具体化したいときに便利です。
4. 自分の理解が正しいか確認する
Just to make sure I understood correctly, …
「正しく理解できているか確認ですが〜」。自分の理解を続けて述べます。
Just to make sure I understood correctly, we need to send the revised proposal by Friday.
So, if I understand correctly, …
「つまり、私の理解が正しければ〜」。相手の説明を要約して確認できます。
Do you mean that …?
「〜という意味でしょうか」。二つの解釈が考えられるときに使います。
Let me confirm one point.
「一点確認させてください」。質問に入る前の前置きとして使いやすい表現です。
5. 数字・日付・期限を確認する
会議では、fifteen と fifty、曜日、日付、金額などの聞き違いが実務へ直結します。曖昧なままにせず、候補を示して確認します。
Did you say fifteen or fifty?
二つの候補を並べると、相手は短く答えられます。
Was that Thursday the 13th?
曜日と日付を組み合わせて確認すると、聞き間違いを減らせます。
Is that 1.5 million, one point five million?
大きな数字は、必要に応じて区切り直して確認します。
When you say “next Friday,” do you mean August 7?
next Friday のように解釈が分かれやすい表現は、日付まで確認します。
6. 担当者と次の行動を確認する
Who will be responsible for that?
「それは誰が担当しますか」。担当が曖昧なまま会議を終えるのを防ぎます。
What is the next step?
「次のステップは何ですか」。結論から行動へ移す質問です。
So, I’ll update the document, and Maria will contact the client. Is that right?
自分と他の参加者の担当を一文で確認します。
Could you put that in the chat?
オンライン会議で、固有名詞、URL、数字などを文字で確認したいときに便利です。
聞き返すときに避けたい3つのこと
1. 分からないたびに長く謝る
I’m terribly sorry. My English is not very good. と毎回説明する必要はありません。短い Sorry, could you repeat the last part? で十分です。
2. 同じ聞き返しを繰り返す
一度目は「もう一度」、二度目は「言い換え」、三度目は「文字で」と方法を変えます。
- Could you say that again?
- Could you rephrase that?
- Could you put the key point in the chat?
3. 会議の最後まで確認を先送りする
議論の前提に関わる内容は、その場で確認します。数字や期限だけであればメモしておき、区切りのよいところでまとめて確認する方法もあります。
実務で使える「確認の型」
次の3段階を一つの型として覚えると、さまざまな会議で応用できます。
- 聞き取れた範囲を示す:I understood the part about the design.
- 不明点を絞る:Could you repeat what you said about the cost?
- 自分の理解を確認する:So the budget is capped at $5,000. Is that correct?
英語会議の対応力は、表現を読んだだけでは身につきません。自社の商品、実際の納期、よく出る数字に置き換え、声に出して使う必要があります。
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相手の発話そのものが速く感じる場合は、ネイティブの速い英語が聞き取れない5つの理由で原因を切り分けてから練習すると効果的です。
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まとめ
英語の会議で大切なのは、一度ですべてを聞き取ることではありません。分からない部分を絞り、言い換えを依頼し、最後に自分の理解を確認することです。
まずは次の三つを、すぐ言える状態にしておきましょう。
- Could you repeat the last part?
- Could you rephrase that?
- Just to make sure I understood correctly, …
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参考資料
- Yu, Janse & Schoonen (2021), The Effect of Learning Context on L2 Listening Development
- Satori (2021), Effects of Working Memory on L2 Linguistic Knowledge and L2 Listening Comprehension